「読書が苦手・・・」
「本をたくさん読む人になりたい・・・」
「本の読み方がわからない・・・」
本記事では、こういった悩みや疑問に答えていきたいと思います。
実は、こういった悩みや疑問は「読書」との向き合い方から変えていくことで、解決することができます。
この記事を読むことで、本を読むことが楽しくなっている新たな自分に出会うことができるのではないかと思います。
※ 小説などの娯楽を目的とするような本は範囲外とします。
読書をする前に確認しておきたい3つの問い
「読書がどうも苦手」と思っている方は、本を開く前に、以下の3つの問いを考えてみてください。
ポイントは「いかに自分ごと化して読書ができるか」です。
問いに対して「いいえ」が多いほど、自分ごと化の度合いが低くなり、読書が辛く感じてしまうと思いますので、なるべく「はい」が多い状況で読書をすることをオススメします。
問い①:本を読む目的はありますか?
目的意識が無いまま「とにかく、本を読まなきゃいけないんだ!」と読書を開始しても、なかなか自分ごと化できず、読むことが辛くなってきてしまいます。
自分ごと化しやすい目的を立てるには、まずは「今の自分の困りごとはなにか?」を “なるべく具体的に” 明らかにすることがオススメです。
たとえば「○○の知識がなくて困っている」という困りごとがあれば「なぜ、その知識が無いと困るのか?」と、もう一段階、二段階・・・深堀をすることで、困りごとが具体化されていきます。
「○○の知識がなくて困っている」
↓
「○○の知識がないから、□□が理解できずに困っている」
↓
「□□が理解できないから、△△ができなくて困っている」
こうして深堀した困りごとを、その本を読むことによって解決する、というのが「目的」となります。
問い②:その目的の重要度は高いですか?
シンプルに、その「本を読む目的」の重要度や緊急度が高いかどうかを考えてみてください。
素晴らしい目的があったとしても、それがそれほど重要だと思っていなければ、自分ごと化できずに、読むのが辛くなってきてしまいます。
問い③:それは本でなければいけませんか?
その目的を達成するためには、本を読むことが必要なのかどうかを考えてみてください。
目的達成のために必要な情報を、ウェブやYouTubeなどから得られる可能性があります。あるいは、詳しい友人に教えてもらうことが最良の方法かもしれません。
もし本が苦手なら、こういった読書以外の方法で情報を仕入れ、目的達成を目指す方が良い気がします。
ウェブやYouTubeには、欲しい情報がない!とか、もっと詳しくて正確な情報が欲しい!けど、周りにそんなこと教えてくれる人はいない!・・・などと続け、消去法で「じゃあ、本を読むしかないか」といえる状況にあるかを考えてみてください。
本を読むことが迫られている状況にあることを認知することで、読書をより自分ごと化して行うことができます。
本が苦手な大人へオススメしたい読書術
先ほどの3つの問いに「はい」と答えることができるような状況で、オススメしたい読書術は次の通り。
手順1.「まえがき」と「目次」で内容を予想する
まずは「まえがき」や「はじめに」をサラっと読んで、著者の背景情報や本のコンセプトなどを確認し、どんな本なのかを知っておきましょう。
次に「目次」を開き、どんな話題がどういう流れで書かれているかを確認し、内容の全体像を把握すると同時に、内容を予想しておきましょう。
手順2.今の自分が欲しているパートを開く
単純に、読みたいと思うパートを開きましょう。
経験上、本に苦手意識がある方は、よく「本は最初から読むものだ」と思って冒頭から読み進めていき、途中でバテて、読むのをやめてしまうというパターンが多いです。
手順3.「強弱」を意識して流し読みする
一字一句を丁寧に読むのではなく、ある程度の「強弱」をつけて読み進めましょう。最近のビジネス書なんかは、太字や下線で重要部分が強調されているため、そこだけを拾って読んでいくのもアリです。
読み方のイメージとしては、目次から「こんなことが書かれているんだろうな」と内容の予想をしたと思いますが、その予想が合っているかをチェックしていく感じです。
やや酷い考え方ですが「細部はどうせ忘れる」と思いながら “まずは雑に” 流し読みをしましょう。
手順4.刺さる部分には付箋を貼る
自分にとって重要だと思えるエッセンスには、付箋を貼りましょう。
「これは重要!」でもいいですし「いい!」とか「すき!」でも、とにかく、刺さった部分にはペタペタと貼っていきます。
ちなみに、私が愛用している付箋は、下記の3Mの細いタイプのものです。そこまで高い商品ではないですし、手に入れておいて損はないと思います。
今、ふと机の上を見たら、同じ付箋がありました。
それくらい私の中ではスタンダードな商品です。
手順5.興味に応じて前後のパートへ移っていく
読んでいて「もうちょっと知りたい」とか「どういう流れで、こういう話になったんだ?」と思った場合には、次は、前後のパートに進みます。
最初に読んだパートから、興味に応じて、じわじわと読み広げていくイメージです。
手順3に戻り、再び、強弱を意識して読みながら、刺さる部分には付箋を貼りつつ、さらに前後のパートへと読み広げていきます。
読書に対する認識を変えていきましょう
ここまでこの記事を読まれて、いかがでしょう。
読書に対する認識がちょっとだけ変わったのではないでしょうか。
最後に「読書」への認識について、少しだけ考えてみます。
「読書=辛いもの」というイメージ
私は、小学生の頃「読書の時間」なるものが設けられ、先生から「読書をしなさい!」と言われ続けていた記憶があります。
本を読む目的が「読書の時間だから」とか「先生からそう言われたから」では、なかなか自分ごと化できず、読み進めることが辛く感じてしまいます。
幼い頃のこういった経験から「読書=辛いもの」というイメージが生まれてしまい「自分って昔から読書苦手なんだよな」と認識してしまっているだけではないかと思います。
読んだ本の冊数は結果に過ぎない
世間では「月に100冊読んでます」などに対して「すごい!」と言われることが多々ありますが、100冊を読んだことよりも、そこからどれだけなにかを得られたか(そして、アウトプットできたか)の方が重要だと思います。
通常の感覚では、読んだ冊数と得たものが比例するように思えるため、得られたものの多さを説明するのに冊数で表現すること自体は問題ないと思います。
ただ、これが本末転倒となってしまい「100冊読むことが大切!」となってしまうと、ちょっと違うんじゃないかな、と私は思います。
量と質の問題と一緒で、質の悪い読書をたくさんこなしても意味がないですので「100冊」などには惑わされず、自分が思う「質の高い読書」をしましょう。
本に書かれていることを絶対視してはいけない
ネットに書かれている情報って疑いますよね?
そして、他のいくつかのサイトと見比べながら、情報を見極めますよね?
本においても全く一緒です。
同じ領域のいくつかの本を読み比べ「どこにでも書かれている要素」や「他と異なることが書かれている要素」はなにかを把握することで、なにか見えてくるものがあると思います。
読書は「受動的」ではなく「創造的」に
「自分ごと化」の話と似ていますが、読書は、受動的に行うものではなく、能動的に行われるものだと思います。
(きっかけは受動的でも読んでるうちに能動的になればOK)
そうでないとその本を読む意味がないのでは?と思います。
さらに、能動的な読書から一歩進んで、創造的に読書をするのがオススメです。
なにか自分に課題感があり、それを思い続けている時に、その課題解決へのヒントを思わぬところから得られることってありませんか?
こういったことを、各務太郎さんが書かれた『デザイン思考の先を行くもの』という本の中では「見立てる力」と呼んでいます。その部分を一部引用します。
これを私は「見立てる力」と呼んでいる。それは、ふつうの人から見れば全く関係のない2つの異なるものも、それぞれをシナリオまで抽象化して捉えることで、同じ土俵で結びつけることができる能力だ。
「あなたの課題感」と「異なる領域の本に書かれている情報」を「見立てる力」を使って、結びつけるように考えながら読むことで、読書はかなり創造的で楽しいものになるのではないかと思っています。
どんな形でもアウトプットを
「読書をして終わり」ではなく、どんな形でもいいのでアウトプットにつなげることを意識することが大切だと思います。
先ほどの「見立てる力」を使って、新しいアイデアを生み出すのはもちろん、どんなに小さくても良いので、なにかアクションを起こしたり。
「読書=情報を得る行為」をしたら、得た情報を積極的に活用し「読書の質の向上」のみならず「読書の価値の向上」を目指しましょう。
おわりに
こうして考えてみると「読書」って、神聖なものとして崇められがちですけど、やはり「手段」に過ぎませんね。
お話ししたことのポイントをまとめると次の通りです。
- 読書は「目的」ではなく、情報を得るための「手段」に過ぎない
- 全文を読もうとして嫌になるくらいなら、好きなところから流し読みをすればいい
- 本を読んで得た情報や考え方を積極的に活用することで読書の価値が高まる
この3つのポイントを抑えながら読書することをオススメします。
今回は、本が苦手な大人のための読書術についてお話ししました。
色々と語ってしまいましたが、あまり意気込み過ぎず、まずは、軽い気持ちで本を開いてみることをオススメします。
作者:各務 太郎
発売日: 2018/11/09
メディア: Kindle版
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